#20 ありがとうボタン

お疲れ様です。イヌイです。

 

 

 

先日、友人とドライブしていた時のこと。ウィンカーをカッチコッチあげながら、道路に割り込みたい車がいた。よくある光景。

 

私の友人は優しい。それはそれはとても優しい心を持った友人である。どのぐらい優しいかというと、お弁当を忘れた私にコッペパンを半分分けようとしたものの、うまく半分にできずに6:4ぐらいの比率になっちゃって、はにかみながら4のコッペパンをくれる・・・そんな友人。

 

 

そんな私の友人は快く道を譲った。なぜなら優しいから。私に4のコッペパンをくれるその優しさで、彼は道を譲ったのだ。

 

するとどうだろう。

 

 

譲ってもらった車は無反応。当然のように割り込んできた。

 

それを見て友人はぽつり、

 

 

「なんか手ぇ挙げるとかハザードランプ点けるとか挨拶しろよ」

 

 

と、言った。

 

 

 

 

 

心せっま。

 

 

 

人間とは不思議な生き物だ。

 

私は優しいから、私は心が広いからと言っておきながら、感謝や見返りがないと怒りがこみ上げてくるのだ。だったら最初から優しい対応をしなければいい。でも、それで「心が狭い」なんて言われると、これまた怒りがこみ上げてくる。面倒くさい。

 

 

みなさんは道を譲ってもらった時、どのような挨拶をしますか。大体3パターンくらいじゃなかろうか。ハザードランプ、手を挙げる、会釈するの3つ。

 

 

 

この3パターンが面倒だから、みんな挨拶をおろそかにするのではないか。もっと簡単に。端的に。フレンドリーに。そうするには、「ありがとうボタン」をつければいい。ハンドルのあたりに。

 

「ありがとうボタン」を押せば、運転者に代わって車体の外部に取り付けられたスピーカーから「ありがとう」の音声が流れる。天龍源一郎さんみたいな声で、半径30メートル圏内に響き渡る。でかいし聞き取りづらい。でも、挨拶でいちいち気を遣う必要がなくなるのだ。

 

 

 

 

道を譲ってもらったら「ありがとうボタン」

 

あっちでもこっちでも「ありがとう」、「ありがとう」のファンファーレ。道を譲った方も気持ちが良くなって、つい窓から顔を出して

 

 

「いい薬です!」

 

 

と、叫ぶかもしれない。そもそも窓から顔を出してはいけない。危ないから。

 

 

 

 

なんでもかんでも「ありがとう」を求める日本人は面倒くさいなぁ。